白内障

Blue-blocking IOL（着色眼内レンズ）

紫外線吸収機能のみの眼内レンズでは、まぶしさや色の見え方が自然でない場合がありますので、当院では、『Blue-blocking IOL(着色眼内レンズ)』という、眼に有害な短波長（青色の光）を２０歳代の人の水晶体くらいにカットする能力を持つ世界でも最新の眼内レンズを使用しています。
2007年5月より着色レンズに更に非球面レンズの機能を付加したコントラスト感度がより良くなった（像がくっきり見えるようになった）新しいレンズを導入いたしました。

最新の眼内レンズを用いてもかなり古いタイプの眼内レンズを用いても白内障手術の料金は同じです。
当然仕入れ価格は最新の眼内レンズのほうがずっと高いため、よい眼内レンズを用いることは医院の経営の面からは好ましくありませんが、患者様には一番よい眼内レンズを使う必要があると当院では考えています。

乱視矯正眼内レンズ

手術前からある乱視を減少させるために、乱視の度数が付加してある眼内レンズを使用しています。
軽度の乱視の場合には、角膜のゆがみを取る角膜減張切開（LRI: Limbal Relaxing Incision）を行って治療することもあります。
この乱視矯正眼内レンズやLRIの研究や学会発表については、世界でトップクラスの成績を上げており、2010年のASCRS（アメリカ白内障屈折手術学会）では１位を受賞しました。

多焦点眼内レンズ

当院では従来から多焦点眼内レンズも扱っていましたが、2008年2月からこの多焦点眼内レンズの中でも新しくなって今までより更に見やすくなった多焦点眼内レンズを日本でも手術時に正式に使用できるようになりました。（厚生労働省の認可が下りました）

この多焦点眼内レンズを使用すると遠くの視力が良くなると同時に近く（眼から30cmくらいの近い距離）もよく見えるようになります。このために遠くを見るときにも近くを見るときにも『メガネがないと見えない！』ということが減ります。通常の日常生活くらいのことならほぼメガネがなくても困らなくなり便利です。

ただし、非常に細かいものを見るときにはメガネが必要となったり、暗いところでは光がにじんで見えたり、近くが見づらかったりなどの欠点がレンズの種類によってあります。

この多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術（白内障手術）は、選定療養、もしくは自由診療となります。多焦点眼内レンズのうち、厚生労働省の認可を受けた多焦点眼内レンズを使用する手術は選定療養、そのほかの多焦点眼内レンズを使用した手術は自由診療です。

選定療養では、「検査費用」や「手術費用」、「薬品に関する費用」については医療健康保険が適用されますが、「単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの仕入れ価格の差額」および「追加検査費用」は自費負担です。
ただし、厚生労働省の認可がまだおりていない高機能の多焦点眼内レンズは、自由診療です。

自由診療では、「検査費用」や「手術費用」、「薬品に関する費用」、「多焦点眼内レンズの費用」は全額自己負担です。片眼で税込50～80万円（レンズの種類により異なります）。
当院で、まず、お勧めしている多焦点眼内レンズは、選定療養が利用できるレンズです。自由診療となる高機能の多焦点眼内レンズをご希望の場合は、診察時に担当医にご相談ください。

手術を受ける方の生活状況（職業、夜間の運転が必要かなど）や趣味（ゴルフ、パソコン、テレビゲーム、読書、編み物、裁縫など）などのライフスタイルに応じて眼内レンズを選べる時代になりました。ご自分にあった眼内レンズはどの種類なのかよく検討して適合した眼内レンズを選択しましょう。

選定療養用の遠近両用眼内レンズ使用時の医療保険対象外費用

（片眼　税込み）

選定療養に関しての情報：

• 多焦点眼内レンズの費用（日本白内障屈折矯正手術学会）
• 多焦点眼内レンズの情報（日本白内障屈折矯正手術学会）